結石症

膀胱炎かな? 結石かな?

こんな症状があれば膀胱炎や結石症を疑う事ができます。

結石とは


膀胱結石とは、尿中に含まれる何らかの成分が結晶化し、その結晶が集まり固まって膀胱の中にできる大小さまざまな石をいう。
 そのような結晶や結石が尿道内で詰まると尿が体外に排出されず、腎臓に逆流して命にかかわることもある。


膀胱炎とは


 膀胱炎とは、大腸菌やブドウ球菌などの細菌感染や膀胱結石などによって、膀胱の内壁が炎症をおこす病気である。
 尿に血が混じる(血尿)。何度もオシッコをする(頻尿)。オシッコが終わったあと、ぽたぽた尿がもれる。
 そんなときは、膀胱炎や膀胱結石の疑いがある。

 犬(特に雌)の場合、細菌感染によって膀胱炎になるケースが少なくない。
 症状が出やすいのは、年齢でいえば5〜6歳前後からが多い



膀胱炎の予防と治療治療

予防 :  排尿を我慢させない  身体を冷やさない
       外陰部を清潔に保つ(犬の外陰部や包皮は常に細菌でいっぱいです。細菌はそこから尿道を通り膀胱や尿道に感染します。ケージ内等も清潔に保つ事が肝心です)


治療 :  抗生物質の投与・・・人間の場合は3日ほどの投与で良くなる場合が多いが、犬の場合は軽い場合で1週間から10日、慢性の場合は
                   3週間から1ヶ月、場合によってはそれ以上続けることが必要。

                   治療中に症状が出ないからといって投与をサボったりすると、再発の恐れがあるのできちんと服用する事。
              
                   膀胱に石が存在する場合は、その石によって膀胱内壁が傷つけられ炎症を起していると考えられるので、石を取り除く事が一番の選択。
                  特に雄の場合は注意が必要だ。
                  尿道もしくはペニスの先に小さな石(あるいは結晶の塊)がつまり(尿道結石、尿道閉塞)排尿不可能な状態になることがあると、
                  そのうち膀胱は尿でいっぱいになり、拡張の限界に達する。
                  そうなったらすぐに治療施置がなされなければ、尿毒症になり72時間以内に死亡するのが普通だ。特に猫では非常に多い。

結石の診断


 結石の存在はレントゲンや超音波検査が有用。(レントゲンに映らない石もある)
 また、結石の種類により治療法が異なるため、尿を検査し細菌の有無、結石の種類を明らかにすることが望ましい。
 しかし、結石の種類は結局のところ外科的に取り出して検査するしか完全に把握することは難しい。
 結砂は尿検査で判断できる。おしっこが乾燥した後にキラキラ光っているなんてのも、要注意だ。


結石の治療

外科的治療

   ○ 膀胱、尿道切開にて石を取り出す⇒石が同定できるためその後の治療指針が立てやすい。
    
       尿道切開は予後の良くない場合(尿道のキズががきちんとふさがらず尿が漏れる、尿道閉塞等)があるので
       カテーテルで膀胱に石を押し戻してから膀胱のみを切除するのが好ましい。

   ○ 食事療法⇒ストルバイト結石が疑われる場合、石を溶かす事が可能なため処方食にて様子を見る。 変化が見られなければ外科的に取り出す。

予後

 結石の種類と大きさが予後を左右する。すなわち、溶けない結石は外科的に摘出するしかない。
 尿道がつまった場合には、その重症度による。例えば、腎臓や膀胱に元に戻ることが出来ないくらいのダメ−ジがあった場合は、予後はよくない。

結石の種類

結石の種類 特徴 予防と治療方法
ストルバイト結石 リン酸マグネシウムアンモニウム結石のこと尿の中にリン酸とマグネシウムとアンモニアが増え、尿がアルカリ性になるとできやすくなる。
できた結石は、手術や経尿道的に取らなくても内科的に溶かす(溶解)ことができる。
抗生物質による尿路感染の治療と管理および食事療法が原則。
ストルバイト結石溶解食はマグネシウムの制限、尿の酸性化、アンモニアの元である尿素を減らすため蛋白質の制限、水分摂取を増加させて尿量を増やすため食塩の増加など。
ただし、食塩の増加は、心臓、肝臓、腎臓の悪い犬などではできない。

レントゲンに写り難いらしい。
治療薬と食事:

抗生物質、低Mg食、蛋白制限、低P食、酸性食、水分摂取増加、
ウレアーゼ阻害剤

ストルバイト尿石の予防には朝1番に尿を検査する

健康な犬や猫でも、昼間、尿がpH8になったり、ストラバイトの結晶が出たりすることは珍しくなく、ごく普通の一過性の生理現象です。
ストラバイトの結晶が出ても、大部分の犬や猫には尿石が出来ないらしい。
何故なら、睡眠中に腎臓から疲労物質(尿酸、乳酸、燐酸、ケトン体)が排出されて尿が酸性化し、結晶が溶けてしまうからだ。
結晶が消えれば、尿石はできない。
したがって、朝一番尿がpH5.8前後の酸性であれば、ストルバイト尿石が出来る心配は全くないらしい。
このタイプが多い犬種 ミニチュアシュナウザー、シーズー、ピジョンフリーゼ、ミニチュアプードル、
コッカースパニエル、ラサアプソ
尿のph

アルカリ性

pH7より上のアルカリ性尿で結晶化され、pH6.6以下で溶解する。

シュウ酸カルシウム結石
犬もこれが増えてきている。
尿のPHに関係なくできるが、酸性になると抑制物質であるクエン酸が減少してできやすくなる傾向がある。
内科的に溶解することはできず、予防もストルバイトより難しい。
治療薬と食事:

高Ca食、低塩食、低シュウ酸食、高Mg食、クエン酸カリウム、
サイアザイド系利尿剤

シュウ酸カルシウム尿石の予防には食後3時間以内の尿を検査する

人間の尿石症の約7割がシュウ酸カルシウム尿石で、その原因はカルシウム不足にある。すなわちほうれん草やタケノコどに多量に含まれるシュウ酸は、小腸でカルシウムと結合して糞と一緒に排泄される。だが、カルシウムが足りないとシュウ酸が小腸で吸収されて腎臓に移行する。そこへ細胞賦活化の役目を終えたカルシウムが流れてきてシュウ酸と結合し、シュウ酸カルシウム尿石を形成してしまう。カルシウム不足が持続すれば結石形成に至る。 尿のpH調節では解決できないので急いで牛乳やチリメン・煮干などワンちゃんの好むカルシウム食材を食べさせよう。

*庭で放し飼いされている幸せな犬たちは、花壇の草や固形肥料を食べるのでシュウ酸カルシウム尿石が出来やすいらしい。
このタイプが多い犬種 シュナウザー、ラサアプソ、ヨークシャーテリア、ピジョンフリーゼ、シーズー、
ミニチュアプードル
尿のph
酸性

酸性〜中性尿で結晶化される
リン酸カルシウム結石 副甲状腺に腫瘍ができて副甲状腺ホルモンが大量に分泌されると、尿中にカルシウムとリンが排泄され、結石の原因となる。
まれで、1%以下に見られる。
治療薬と食事:

副甲状腺機能亢進があればその治療、クエン酸カリウム、
サイアザイド系利尿剤
このタイプが多い犬種 ミニチュアシュナウザー、ヨークシャーテリア、シーズー、ラサアプソ
尿のph
アルカリ性

アルカリ性尿で結晶化される。

尿酸塩結石 ダルメシアンに多い。尿が酸性でできやすく、門脈体循環シャントなどアンモニアが多くなる疾患や高尿酸血症で多い。 治療薬と食事:

低プリン体食、アルカリ食、クエン酸カリウム、アロプリノール(尿酸合成阻害剤)
このタイプが多い犬種 ダルメシアン、ミニチュアシュナウザー、ヨークシャーテリア、シーズー、
イングリッシュブルドッグ
尿のph
酸性

シスチン結石 シスチン尿症という遺伝性疾患でできます。酸性尿でできやすい。
治療薬と食事:

アルカリ食、チオプロニン、ペニシラミン
このタイプが多い犬種 イングリッシュブルドッグ、ダックスフンド、マスチフ、バセットハウンド、
ニューファンドランド、スタッフォードシャーブルテリア
尿のph
酸性

シリカ(ケイ酸)結石
まれで、1%以下に見られる。肉にはほとんどシリカは入っておらず、植物(特に米)に含まれている。 治療薬と食事:

アルカリ食、植物の摂取の制限、異食症に注意
このタイプが多い犬種 ジャーマンシェパード、ミニチュアシュナウザー、コッカースパニエル、
ラブラドールレトリバー、シーズー
尿のph
酸性





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